山形市などの「ごみ袋有料化」テレビCMの的外れな制作意図とは…CMは目立てばいいというものじゃありません

2010年6月13日

山形県内の一部の4市町、山形市と上山市、中山町、山辺町で
来月7月から実施されるごみ袋の有料化をひかえ、
「ごみ袋有料化」のテレビCMが県内で流れ始めました。

  「はじまります!」
  「はじまります!!」
  もったいぶったナレーションに続き、山形県の地図が現れ、
  「山形市!」
  山形県の地図上の山形市にズームインするように
  スポットがあたる。
  同様に、残りの「上山市!」「中山町!」「山辺町!」にも
  スポットがあたる。
  そして最後に、大袈裟なアナウンスで締めくくる。
  「7月1日、ごみ袋有料化、スタート!」

動画で公開されていませんから、文字だけでご了承ください。

実はこのテレビCM、従来の自治体のお知らせっぽくありません。
むしろ、宣伝を意識し、派手な加工やもったいぶった口調の言い回しを使って目立たせようとする意図がにじみ出ています。

口をすっぱくして言うのですが、
CMや広告を作る際は、それを観る側の立場に立って作るべきです。
ありきたりの言葉になりますが「お客様目線」で考える、
もしくは「お客様目線で感じる」必要があります。

山形市の「ごみ袋有料化」テレビCMは、
その意味で大きなあやまちを犯しています。
テレビCMが上手いとか下手クソとか、そんなレベルではありません。
根本的にダメなんです。


派手な宣伝にしたいという制作サイドの気持ちは、
わからなくはありません。

「ごみ袋有料化」を周知させることと、
それがどこで行われる(山形市と上山市、中山町、山辺町)かを告知したい。
その思いが強かったのでしょう。
そこで、あり得ないくらい大袈裟な告知となり、
言い回しも「7月1日、ごみ袋有料化、スタート!」という体言止め(名詞止め)で強調してしまいました。


では、お客様目線で感じてみましょう。
第一に、「ごみ袋有料化」はありがたくない話です。
ゴミ袋が10枚で600円になり、喜ぶ市民がどこにいるでしょう?
つまり、観る側にとってあまり喜ばしくないことを伝えるのに、
派手な告知や強調的な言い回しは、かえって逆効果です。

今回のごみ袋有料化のテレビCMは、どう見ても広告手法が、
まるで期待を持たせる事業や出来事が始まることを告知する手法となっています。

大きな間違いです。


より判りやすくするため、身近な別の例(架空話)をあげてみましょう。

  「2012年7月、消費税、5%から20%に大幅アップ!」

と派手なお知らせCMがテレビで流れていたらどうでしょう。
しかも、まるで良いことが始まるような感じの雰囲気(=演出)で。

皆さんは、どんな思いでそのCMを観るでしょうか?
自分なら、「ふざけんな!」と感じるでしょうね。


CMはなんでもかんでも、派手に演出し、
目立たせればいいといものではありあせん。

もし広告制作者やその広告にGoサインを出した自治体の担当者が、
ほんの少しでも「お客様目線」を持っていたら、

  「7月1日、ごみ袋有料化、スタート!」

というまるで素晴らしいことが始まるかのような口調と表現は
決して採用しなかったでしょう。

  「7月1日からごみ袋有料化が始まります。
   お間違えのないよう、
   皆さまのご協力を、よろしくお願いいたします。」

的に、もっと謙虚に、控えめな表現で告知するほうが、
この場合、遙かに好感をもって受け入れてもらえるということは
明かです。

とかくCMや広告制作の現場においては、
広告手法やアイディア、演出などに目が行きがちですが、
「お客様目線」をもたないと、
とんでもなく的外れなCMや広告になることもありますから、
注意が必要ですね。


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