B級グルメはA級のまちおこし企画か?

2010年4月18日


昨年9月中旬過ぎに秋田県横手市で開催された
第4回B級ご当地グルメの祭典「B−1グランプリ」。

ちょうど東北ローカルのテレビ番組で特集されていたので、
観ていたところ、
主催者側のトップの方がインタビューに応え、
「B−1グランプリ」の地元への経済効果のすごさばかりを力説していました。優勝した地域には何十億もの経済効果だったとか、云々。

そのインタビューばかりではありません。
ローカルニュースで取り上げる時も、
アナウンサーは必ず地元への経済効果について取り上げます。

正直、バカじゃないかと思いましたよ。

「B−1グランプリ」の主催者が、
経済効果を謳ってどうするんしょうね。


おそらく、最初の頃の「B−1グランプリ」に訪れていた方々は、
純粋にB級グルメの味を楽しみ、投票していたと思います。
(「B−1グランプリ」の採点方法は、会場でB級グルメを食し、気に入ったご当地料理に箸を渡して投票するという形になっています。)

次第に認知度が高まり、話題性も上がり、テレビやマスコミで盛んに取り上げられるようになります。

すると、どうでしょう、
高い話題性による宣伝効果や経済効果に注目が集まるようになります。

このご時世です。不況の最中、
「B−1グランプリ」へ足を運んだ地元の方々は、
地元のまちおこしのためにということで、
当然、自分のところのご当地グルメに投票するようになります。
だって、優勝すれば地元がめちゃめちゃ潤うとテレビで宣伝していますから。
第4回「B−1グランプリ」で地元の横手焼きそばが優勝するのは
この不景気を考えれば、当然の成り行きでしょう。


「B−1グランプリ」のような企画は、
その趣旨から言って、
投票に足を運んでくれる方々や国内にその馬鹿馬鹿しさを楽しめる余裕があってこそ成り立つ企画です。

地の利を活かして、自分のまちのご当地グルメを優勝させるのは
造作もないことですから。

この不景気なご時世に、声高に経済効果を謳うことは、
却って「B−1グランプリ」の存在価値を損なう方向へ働きかねません。

どうせなら、
「不況ですが、日本全国の安くて美味しいご当地グルメ、隠れた逸品を楽しんでもらいたいです」くらいの大義名分を貫き通したほうが主催者サイドとしてよほど利口な発言です。


でも、それは無理な話なんでしょうね。

そもそもこの「B−1グランプリ」を運営団体の名称が、
「B級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会」ですから。。。

大抵こうしたものを発想したり、関わってくるのは、
役所の商業・観光課とか、商工会。

“まちおこし” という発想自体、決して好きではありません。

「B−1グランプリ」が盛んに取り上げられ、
経済効果が宣伝せれ、不況が続けば、
「B−1グランプリ」を開催した地元のB級グルメが優勝するのは、
必死です。(投票システムが同じなら)

それに目立たないからこそ、B級グルメなんです。

そう、企画の性質上、
「B−1グランプリ」はメジャーになればなるほど
その衰退は避けられません。

スポンサーも増え、莫大なお金が絡み、
胡散臭い催しになるでしょう。


「B−1グランプリ」は新しいB級グルメの参加を呼びかけるとともに、
厳しく参加資格を制限しています。

現在も、自治体やら商工会ベースで、
必死に「B−1グランプリ」への参加を試みているケースが多々あると
聞いています。

そもそも、B級グルメって、それを目指すようなものなんでしょうか?

自然に地元で愛され、食べ継がれてきた、
そんな料理ではないのでしょうか。
B級グルメは、目指してそうなるモノではなく、
自然にいつのまにかそうなっている、そんなモノではないでしょうか。

しかも、ただでさえB級グルメの審査会場に行った人が
ひとりで全種類食べ比べてみるのが困難になりつつあるというのに、
これ以上B級グルメが増えたら、
審査することすら更に難しいものとなります。


必死にB級を目指す人達の姿には違和感を禁じえません。
敢えてB級を目指すという行為自体が、
もはや金儲け主義としか見えないですよ。

どうせならA級を目指せばいいのに。
素晴らし食べものを生み出し、キチンと広告して。


金儲け主義という点では、
最近よく取り上げられるようになった「ご当地グルメ」ブームやら、
地元だけ大人気グルメ」企画ににも当てはまります。
公告費ガタ落ちのテレビ放送局にとって格好の金儲けの手段であることは言うまでもありません。


実は、昨年の夏頃でしょうか、
ここ山形県新庄市で、地元商店街活性化のため、
B級グルメの大会を催しました。

もちろん地元商店街のお店の方だって、
このとこころのB級グルメブームや経済効果は知っています。
そこで店主は、
投票のための前売り券を買い占めるという行動に出ました。

新庄市の主催者はそれを知り、
B級グルメの大会の開催を取り止めにしました。

企画自体はパクリなので、評価できませんが、
取り止めにした行動には敬意を払います。


さて、本家「B−1グランプリ」はこれからどう発展して行くでしょうね。
運営の舵取りはとても難しくなるでしょう。

まあ、おおよその今後の展開は予想がつきます。

B級グルメの候補を増やし、
競う地区をブロック化し、東北ブロック、関東ブロックなどに分け、
各ブロックの優勝グルメを集め、
最終的に全国1位のB級グルメを決定する。

これなら、しばらくは企画として発展して行くでしょう。
たとえ企画の中身自体が
とっくに死に体となっていたとしても、です。


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