見やすさは優しさ〈3〉津波警報を四六時中点滅させるテレビ放送業界ってどうよ

2010年3月1日


南米チリ大地震により発生した津波への警戒のため、
昨日2月28日(日)は朝から晩までテレビを付ければ四六時中、
危険とされる沿岸が赤や黄色に点滅した大きな日本地図を見せられることとなった。
(日本海側にあるここ山形県鶴岡市は今回の津波警報とは無縁でした。)

津波による人的被害がなかったことは幸いですが、
太平洋側の至るところでの浸水やら漁業被害などを被られた方には
お見舞い申し上げます。

さて、テレビ画面上に
大津波・津波警報・注意報を記した日本地図を表示するのは
百歩譲って良いとしましょう。
ですが、点滅させるのは全くいただけません。

しかもNHKと民放全てです!

何か決まりでもあって地図を点滅させているんでしょうか。
それとも日本人特有の横並び思想からきているのでしょうか。
他局が派手に見せているから、自局も負けられない。
(それに、ちょうど50年前に大津波により200人弱の
犠牲者が出たこともあり、)
おれちはこんだけ、皆さまの安全を一生懸命考えていますって!

あの仰々しく点滅するテレビ画面を観ていると
そんな気さえしてきます。
(ちなみに今日の発表によると、本来避難勧告が出た方の内、
実際避難された方は6%だったそうです。)


ホームページ制作に携わって10年以上になります。
その間、数百に上る沢山のホームページを作成させていただき、
また山のような数のホームページを覧てきました。

そのホームページ作りの中に、
ある人間の視覚行動に関わる原則的なルールがあります。
(全てのホームページ制作者が知っている知識ではありません。
むしろ知らない制作者のほうが多いでしょう。)

 「人間は視覚内(=視界内)の離れた箇所にある
  2つ以上の動くものを同時に見ることはできない

つまり、ホームページを作る時、
同じページ内の、ある程度離れた場所には原則、
動き(gif アニメーションや Flash ムービーなど)を入れていけない
ということです。

その理由は簡単です。
人は動くものに対して、自分が意識している以上に敏感だからです。
(古来、動くものは敵であり、かつまた獲物でもあります。)

ですから上手くできているホームページは、
むやみに動きを入れたりはしません。
伝えたいことがきちんと伝わることが最も大切なことだと
知っているからです。

では、あの赤や黄色で点滅する地図がのったテレビ画面はどうでしょう。

もう、おわかりですね。

情報を伝えるという意味では、
点滅しない日本地図で十分です。

背景に動きがある分、
前面にある静止物(=津波警報の位置を示した日本地図)は目立ちます。

下手に点滅させて、
観る人をイライラさせたり、目を疲労さえることのほうが
よっぽどマイナスであることは明かです。

だって、かえって情報への拒絶反応や拒否反応を起こさせますから。

結果、何も良いことはありません。
伝える側の過剰演出が
伝えることを阻害する結果になっています。


しかも、誰でも容易に想像が付くように、
データ放送もありますよね。
そっちで流せば十分です。
知りたい方や知りたい時はデータ放送で確認しますから。
(予備のチャンネルだって使えるはずです。)

やれやれ、地上デジタル放送に完全移行したからと言って、
放送するが側の意識がこれじゃ、
なんのためのデジタル放送か分かりませんね。
先が思いやられます。


時折このブログ内でも厳しく指摘(例1例2)しているように
テレビ放送局は視聴者のことなど全然考えていないことが
よく分かります。

また、同じくこのブログ内で
触れてきたように、
テレビを放送する側=情報を発信する側の人間にも、
もっと、もっと、それを目にし耳にする側の人の立場に立って
考えてもらいたいものです。

結局、見やすくないものは何も伝わりませんから。


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