「ネットスーパー」はどこまで浸透するか、その現状と展望
2010年2月15日

総合スーパーマーケット大手が運営・展開するネットスーパーの売上が伸びています。
ネットスーパーとは、パソコンや携帯電話など、インターネットを通して注文することで、最寄りのスーパーマーケットの実店舗から商品を配達してもらうサービス。生鮮食料品も含めて、基本的に品揃えや商品価格は実店舗と同じ。(ある意味、出前のサービスみたいなものかも知れませんね。実店舗の商品をお客様に直ぐにお届けするネットサービス、意外に盲点だったりします。)
ネットスーパー利用者増加の社会的背景には、働く主婦が外出を控える「巣ごもり消費」の増加傾向、新型インフルエンザによって外出を控えるようになったこと、そして高齢化社会が進み、外出が困難な方が増加していることなどが上げれらます。
また、ネットスーパーの売上が伸びると同期するように、配達のためのインフラの充実もあげられます。イトーヨーカ堂では、最短で3時間での商品のお届けとなっています。送料はおおむね数百円、一定の金額以上の購入で送料無料のケースも多いです。(但し、最低購入価格が決められているケースも多い。)
これまでのネットスーパー展開の図式としては、イトーヨーカ堂(セブン&アイ HD 傘下)と西友が先行し、後発のジャスコ(イオン)が追い上げる形となっています。
2月14日付の日経新聞によると、イトーヨーカ堂とジャスコ(イオン)のネットスーパーの現在の店舗数と売上高、そして1年後の目標店舗数と売上高見込は次の通りです。
2010年2月現在 | 2011年2月期目標・見込 | |
イトーヨーカ堂 | 約120店舗 約200億円 | 約130店舗 約250億円 |
ジャスコ(イオン) | 約60店舗 約50億円 | 約120店舗 約100億円 |
実際、富士経済調べでは、2009年のネットスーパー全体の食品販売額だけでも、約280億円(前年比25%増)。非食品の日用雑貨を含めると、1〜2年後には500億円規模の市場にまで拡大する公算が大きいとのこと。
ちなみに、2009年度(予測)のネット通販全体(EC)の市場規模が6兆5740億円ですから、食品ネットスーパー全体の市場規模、約280億円は全体の約0.43%となります。個人的には、あと3〜4年もすれば1%に達すると予測します。
ネットスーパーの要となる各社ホームページについても少し触れてみたいと思います。
▶西友ネットスーパー(首都圏限定)
大手ということで、主な構成と仕組は3社ともそっくりです。「ネットスーパーのメリット」を挙げ、「会員登録」や「ネットスーパーの事前見学」、「サービスエリア」などの説明が載っています。
中でも、イトーヨーカドーネットスーパーの自社のメリットを説明するキャッチコピーは秀逸です。
「プロの目」で責任をもって選んだ新鮮な商品が届きます
まさに、消費者がネットスーパーを利用したいと思った時の一番の不安点、「本当に新鮮な生鮮食料品を届けてくれるのかしら?」に対する模範解答のようなキャッチコピーです!
ホームページ上のキャッチコピーで終わらず、実際に新鮮な生鮮食料品をお客様にお届けし、それにお客様が納得し、満足するかどうかがネットスーパーの成否の鍵になりそうですね。
ラベル: ネット通販, ブランディング, ホームページ, マーケティング, 広告
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