見やすさは優しさ〈2〉値段の分からない「ふぐ刺し」を食べられますか?
2010年1月22日

去る1月4日、夕飯の食料を買うため
いつものスーパーマーケットへと
足を運ぶ。
お正月ムード真っ只中ということもあり、店内には
帰省客やお祝い用の食べものが沢山並んでいます。
そんな中、ある一品が目にとまった。
豪華な演出の黒い丸型トレイ皿に花びらのように並べられた
白くうっすらと透き通ったお刺身!
オーゥ、そうです、ふぐ刺しです!
ふぐ刺しが入ったトレイ皿が何枚か重ねて売っているではありませんか!
ピク、ピク、ピク。(←食指が反応する音です。)
学生時代の四年間、福岡県に暮らし、
山口県は下関市までふぐ刺しを食べに行ったこともあります。
(ちなみに、福岡や山口ではふぐのことを普通に “ふく” と言います。
幸福の “福” からきているそうです。)
それに、北九州では冬になるとスーパーマーケットにふぐ刺しが
並んでいることもありました。
いや〜、もみじおろしがたまりませんな〜
なつかしい . . .
そこで、お正月だしと思い、ここは奮発してと、
値段を見る。
…ない…。
商品の周りに値札もなければ、
ふぐ刺しのトレイ皿の上側にも下側にも、
値段を示すシールが張ってありません!
そうか!
ふぐ刺しの皿が、売れないで何枚も重ねてこうしてあるのは
値段を示すものが一切なかったからだったんですね。
値段が分からないから、みんな買うに買えないんですね。。。
スーパーマーケットの店内はお正月ということもあり、
沢山の人でごったがえしています。
店員さんも大忙しです。
…この場は諦めよう…、
不況だし、我慢、ガマンと言い聞かせ、
その場を離れました。
この一件は、極端な例で、
単にお店の人が値札を張り忘れただけのことだったんだと思います。

最近、しばしばスーパーマーケットの食料品売り場の商品で、
値段の表示があり得ないほど小さい場合があります。
商品パッケージの裏に4センチ×3センチぐらいのシールが張ってあり、
小さな文字で書かれた表枠の、その中のひとつの欄に
ちっちゃく価格が表示されているものがあります。
よく見ないと見逃しそうなぐらい小さいです。
とっても見づらいです!
値段がはっきりしなければ、誰も買いません。
見やすさを損なうことで、
せっかくの売上やビジネスチャンスを逃すのは
もったいない話です。
値段表示ばかりではありません。
総じて、表記の文字が小さいです。
説明を読むのにいつも苦労してしまいます。
(ちなみに自分の視力は1.2あります。)
もう少し、見る側の立場になってもの作りしませんか?
見やすくなけば、お客様には伝わりません。
見やすさは優しさです。
そして、見やすさは
商品を買っていただく人への “おもてなし” でもあります。
ラベル: “おもてなし” 発想, ブランディング, マーケティング
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