クルマに求めるのは、燃費の良さ、それとも走りの楽しさ? 〜数字をコントロールするということ

2009年10月7日

突然ですが、アンケートにご協力ください。

 エコカー購入時、次のうち何を重視しますか? ひとつお選び下さい

   燃費の良さ
   走りの楽しさ
   スタイリングの良さ
   内装の良さ
   安全性能


次に、同じ内容で次のようにアンケートをします。

 エコカー購入時、次のうち何を重視しますか? (複数回答可)

   燃費の良さ
   走りの楽しさ
   スタイリングの良さ
   内装の良さ
   安全性能



さて、みなさんはどう回答しましたか?

自分なら、最初の質問に対しては[燃費の良さ]を、
2つ目の質問には[燃費の良さ][走りの楽しさ][スタイリングの良さ][内装の良さ][安全性能]の全部を選択します。


マツダのクルマ “アクセラ” のテレビCMのメインコピーは、次のようになっています。



“エコカーにも走りの楽しさを求めている人が84%もいました。”
(ナレーション「実は多くの人がエコカーにも走りの楽しさを求めていました」)

この84%という数字、CMでは “多い” と主張していますが、
実は、アンケートの方法によっていくらでも結果の数字を変えられるということは容易に想像できます。

冒頭最初のようにアンケートをすれば、[走りの楽しさ]の比率は下がりますし、2つ目のように質問すれば、[走りの楽しさ]の比率は圧倒的に高くなります。

今回のアンケートの例は設問者側が比較的操作しやすい内容ですが、
他のアンケートであっても、ある程度は結果の数字をコントロールできます。(いわゆるアンケートや世論調査、統計などにおける “数字のからくり” 問題と呼ばれるものは、このように設問の仕方に端を発していると言ってよいでしょう。)


マツダがCM広告に込めた狙いは明白です。

1.大前提
多くの人は燃費だけでなく、走りの楽しさも求めているんですよ。
(アンケートで実証。)
     ▼
2.小前提
アクセラは燃費と走りの良さが両立している。
     ▼
3.結論
だから、燃費の良さと走りの良さを求めるなら “アクセラ” です!

このような三段論法から成り立っていて、
大前提の部分にアンケート結果の数字を半ば強引に持ってきているわけです。


通常、アンケートや調査結果の数字を広告に用いるのはとても効果的です。
特に、84%といった具合にキッチリした数字(90%とか100%など)でない場合のほうを、人は信憑性が高い数字だと判断する傾向もあります。


ただし、それを見た人に簡単にツッコミを入れられるような調査結果や数字は非常に危険であるということも常に頭に置いておいてください。

ちなみに、マツダのウェブサイトを確認すると、
アンケートの調査概要が載っています。
が、これではとても充分な調査概要とは言い難いですね。


アンケートに自信があるのなら、本来、
アンケート結果を公表する際は、
サンプル数(=サンプリング数)と設問内容を全て公開すべきではないでしょうか。




玉木宏さんが出演するマツダアクセラのTVコマーシャル。


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