うにの貝焼き〜「数字」で商売繁盛を演出する

2009年9月13日




毎週土曜日、お昼には決まってテレビを観る。
東北6県に放映される「ひるまにあん」という1時間のローカル番組です。
番組冒頭、その日の視聴者プレゼントが紹介されるのですが、
その紹介コメントが実に興味深い。

「年間何万個売れた人気商品の…」、
「一ヶ月に2千個売り上げ、2008年△△部門第一位のスイーツ…」
と言った具合に、紹介文には必ず「数字」が入る。

ちなみに、これらはすべてインターネット通販で知られる楽天市場内にある東北地方のショップからのプレゼントです。

マーケティングに関心のない人は、
「数字」+「人気の」とか、「第一位の」などと聞くと
そんなに売れているのか!って普通に思うことでしょう。

ところが自分は商売柄なのか、
「数字」を聞くとつい総売上高をはじき出してみたりする。
...まあ、まあまあってところかな〜。
少なくとも、スゴイ!っていう金額でもない。

「数字」に「プラスの意味をもつ修飾語(人気の、第一位の)」をつけるというのは、いかにも大盛況だと見せる演出としては定番中の定番です。

正に楽天市場さんが最も得意とする手法です。
(もちろん楽天市場さんには、△△部門とやらが山ほどあることは言うまでもありません。)


と、昨日も放送を観ていたら、いつになくちょっと笑えた。

「累計1万個を売り上げた、人気の…」

る、る、る、る・い・け・い ですと〜!!

もうこうなると、何でもありです。
そこまでして数字を入れるか〜!

ちなみに、商品は貝殻の上にウニ乗った海産物でしたが、
(「うにの貝焼き」いや〜確かに贅沢で、美味しそうです!)
何個セットということもなく紹介していましたから、
多分、1個というのはそのウニの乗った貝殻1個を指すのでしょう。
さて、
それが1回の購入で5個平均売れるとすると、
延べ累計でこれまでに2,000人しか買っていないことになります。
更に、もしそのお店の店舗展開期間が5年間だとすると、
1年間には400人しか買っていないことになります。
(調べてみると2004年に楽天に出店、1パック5個での販売。)

それって、多いのか?

いや、もし驚くほど売れているとしたら、
何も敢えて「累計」として数字を言うことはなかったでしょう。


何も楽天市場さんだけに限った話ではありません。

餃子の王将さんも「1日130万個作る」とテレビで自己申告していました。
(テレビ朝日|シルシルミシル、2009年7月22日放送)
これも、餃子を一人6個食べるとすれば、21万人分となります。
(この数字は、これでも多い気がします、正直。)


できるだけ多い「数字」で攻める!
そのためには、累計も使う。

感心するのは、そのしたたかで貪欲な商魂です。
そのしたたかな商魂、皆さんはどう思われますか?


皆さんも、利用できる「数字」があるようでしたら、是非
「数字」+「プラスの意味をもつ修飾語(人気の、第一位の)」で商売繁盛を演出して、
更なる売上アップを狙ってみてはいかがですか。


くれぐれも、嘘はなしですよ。
念のため。


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後日、「累計1万個を売り上げた」と同じ意味をもつ別の表現を見つけましたので、追記します。

「販売実績1万個突破!」

こっちの表現の方が「累計」という、いかにも積み上げた数字ですといった印象がなく、勢いは感じます。


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「虫コナーズ」vs「虫よけゲル」〜インターネット時代のネーミング

2009年9月6日



九月に入り、急に秋の気配が身に染みる季節になりましたが、
この夏、皆さんはご自宅の虫除け対策どうしていましたか?

日経MJ(=流通新聞、2009年8月10日)によると、
虫よけ剤の主要5社7ブランド中、「虫コナーズ」が独走だったそうです。

製品の効能とは別に、
「テレビCMなどの広告・宣伝」と「ネーミング」が
2位以下を大きく引き離しての高評価。

世間一般の評価ってあなどれませんね。
確かに、最高のネーミングです。

商品の特長である「虫がよってこない」と「コーナー(角)に吊すだけ(置くだけ)」を一見して連想できます。
そればかりか聴覚的にも一度耳にしたら二度と忘れないぐらいインパクトがあります。

おまけに、唯一無二の商品名という点でも、
検索エンジン対策的に秀逸です。

この手の商品は、価格は高くありませんが、
新しいジャンルの商品ということもあり、
本当に効果があるか半信半疑なだけに、
購入で失敗したくないという気持ちが働きます。

そこで登場するのが、インターネット検索。
・・・どんな商品なんだろう? 効き目あるだろうか?

検索キーワード「虫コナーズ」での検索結果数は、

  ヤフー! 約 205,000件
  グーグル 約 108,000件

です。(2009年9月6日)
もちろん上位は全て「虫コナーズ」に関連するWebサイト。

ライバルの製品はどうでしょう?
「虫よけゲル」で検索すると、
検索エンジン(ヤフー、グーグル)は「アース 虫よけゲル」での検索を促します。
改めて「アース 虫よけゲル」で検索すると、検索結果は、

  ヤフー! 約 39,600件
  グーグル 約 12,200件

検索結果の数の違いは、
ある意味売れ行きの指標となりますね。

まあ、
そもそも、社名をプラスして検索しなければならないという時点で、
ネットの世界では、負けです。

実際、「虫よけゲル」という検索キーワードだけでは、
他のメーカーの商品が沢山検索結果に現れます。

これでは、なかなか欲しい情報にたどり着けません。

しかも、「虫コナーズ」の場合、
商品名のそばに「虫よけ」と表現を入れれば(=説明として「虫よけ」という言葉を加えれば)、
「虫よけ」という検索キーワードをカバーできます。
(実際、メーカーのページのタイトルは “虫コナーズ(虫よけ剤) | 製品情報 | KINCHO 大日本除虫菊株式会社” となっていて、きちんと「虫よけ」という言葉をタイトルに入れています。)

「虫よけ」も「ゲル」も一般的な言葉です。

一般的な言葉でお客様に伝わりやすいと考えたネーミングなのかも知れませんが、
その一般的な言葉を使っただけの商品名や名称は、
検索エンジン対策的にとても不利になります。

インターネット時代のマーケティングを考えるのであれば、
商品名や名称を決定する前に、一度検索してみることをお薦めします。

〔不安であれば、デザクロまでご相談ください。〕




テレビCM:金鳥 虫コナーズ 玄関編


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