もうひとりのApple創業者の言葉に学ぶ広告マーケティングの核心とは

2011年10月19日

スティーブ・ジョブズ氏と共にAppleコンピュータを創業したスティーブ・ウォズニアック氏へのインタビュー記事が、広告マーケティングの核心を突く、興味深い内容となっていたので取り上げてみようと思います。

その前に少しだけスティーブ・ウォズニアック氏について。

スティーブ・ウォズニアック氏スティーブ・ウォズニアック氏は、スティーブ・ジョブズ氏と共にAppleコンピュータを創業した人物で、Appleコンピュータ自体の生みの親と呼ばれるエンジニアです。
(彼らを称して、よく「2人のスティーブ」と呼ばれることがあります。)

故スティーブ・ジョブズ氏がAppleに復帰して、CEOとして大成功を収める前は、ウォズニアック氏こそAppleコンピュータの真の生みの親と呼ぶ人も少なくなかったと記憶しています。
(今では万人がApple = Steve Jobsとみなしていますけど。まあ、どんな評価も “勝てば官軍” なのかもしれませんね。)

さて本題に戻りましょう。

ウォズニアック氏へのインタビュー記事は、広告マーケティングの核心について以外にもとても興味深い内容が豊富なので、記事全文を紹介します。(全文ですが、それほど長い記事ではありません。)


ウォズニアック氏、ジョブズ氏死去でアップルに「一抹の不安」-TechCrunch報道

Appleの共同創業者であるSteve Wozniak氏が米国時間10月14日、TechCrunchとのインタビューで自身の思いを明らかにした。胸中にはさまざまな感情があり、その1つが不安だという。

カリフォルニア州ロスガトスで「iPhone 4S」を購入するために列に並んでいる最中にインタビューに応じたWozniak氏は、当然のことながらSteve Jobs氏の死去について悲しみを表明した。だがWozniak氏はさらに続けて、Jobs氏のいないAppleは、テクノロジ業界の物の言い方を乗り越えて消費者のニーズに直接応える能力を簡単に失ってしまうおそれがあると語った。

「私は一抹の不安を感じる」とWozniak氏は言う。「それには1人の人間、ほぼ1人の人間が、1つの考え方で統率する必要がある」

Wozniak氏はAppleがソニーと同じ道を歩まないことを期待すると語った。かつてソニーの製品はシンプルで美しく、崇拝の対象で誰もが欲しがるものだったが、「彼らはその定式を見失った」と同氏は言う。

Wozniak氏によれば、Appleについての不安が強まったのは、iPhone 4Sのプレゼンテーションでステージに上がった人物がデュアルコアプロセッサについて(2度)触れたときだという。「Steveなら、われわれにデュアルコアプロセッサのことを考えさせたいとは思わない。われわれが知る必要のあることは、期待がどんなふうにかなえられるのか、自分たちがどんなふうにインターネットにつながるのか、ということだけだ」とWozniak氏は語った。

さらに良くなかったのは、2つに分かれたアンテナに関する言及だ、とWozniak氏は言う。新しい「iPhone」の感度が良くなったという単純なメッセージが伝わっていない可能性があることを同氏は示唆した。

Wozniak氏は、技術者が重要だと考えることと生身の人間にとって大事なことは違うという考え方を強く持っている(また、そのことがよく分かっている)。これこそがAppleの中核であり、忘れられたのかもしれないと同氏がiPhone 4Sの発表で不安を抱いた事柄である。



この記事の中で広告マーケティングにの核心に関わる部分は、太字の部分です。(太字化:筆者)

太字の2箇所とも結局同じことを言っています。

  伝えるべきは、性能よりも、
  その性能が使い手にもたらす効果や恩恵についてだということです。

時に、性能(アップ)について語るのは簡単だったりします。事実やデータを示すだけでも伝わりますから。

本当に大切なのは、その先にある効果や恩恵、メリットを聞き手(=使い手)に伝えることなんですね。

広告マーケティングをおこなう際、頭では解っていても、なかなか実行するのが難しいことのひとつではないでしょうか。

もともこれが簡単にできたら、皆さんが例外なく大成功を収めていることでしょう。


なお、余談になりますが、ウィキペディアのホームページでスティーブ・ウォズニアック氏の人物欄をみると、その冒頭に次のような一文が載っています。

  「陽気でよく喋るが内容が典型的な技術オタク。」

先に紹介した記事を読むと、ウォズニアック氏がマーケティングの本質を理解している人物だということが判ります。ただの「技術オタク」ではないことは確かですね。


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「今も口パクじゃないですか」 “お父さん犬” はもうおしまい?

2011年9月19日

この9月から流れているソフトバンクモバイルのTVコマーシャル
『白戸家「ロックンロールカバコレ」篇』で、
ついに “お父さん犬” が終わりを告げた。

犬がしゃべるという謎も、
なぜお父さんが犬なのかという謎も、
もはや何の意味も持たない。

白戸家「ロックンロールカバコレ」篇01

白戸家「ロックンロールカバコレ」篇02


白戸家「ロックンロールカバコレ」篇CM中での
“ラーメン屋台の親父” と “お父さん犬” のやりとりは
次のような会話で終わる。

  「上手いこと歌ってましたね。」
  「口パクですよ、口パク。」
  「今も口パクじゃないですか!
  「それは言わないで!

まるでウルトラマンの戦いのシーンの中で、突然、
怪獣がウルトラマンに向かってこんな風に本気で言っているみたいだ。

   「ウルトラマンは着ぐるみを着ているだけじゃないか!」

と。


禁句でしょう、それって。

白けちゃいますよね。
(……ホワイト家だけに、白ける?……)


2007年6月から続く白戸家のTVCM、
途中から少しだれた感はありましたが、
まさかお父さん犬の “口パク” の事実を明かすことになるとは……

ちょっぴり残念です。


もちろん制作サイドの意図は判ります。
iPhoneのカバーコレクションのCMです。
白戸家のロックバンドが Queen の曲を口パクしている流れからの展開でしょう。しかもお父さん犬の目の周りの星マークペイントはロックバンドの Kiss のメイクのパクリとも言えなくない。
ちょっと強引ですが、どちらも、装うという点では共通します。
(装う=カバーを連想させます。)

そうした制作サイドの意図は判りますが、
個人的には “謎” は謎のまま終わって欲しかった、そんな気がします。


2年近く前になりますが、『「やられた〜」から「やっちゃった〜」へ。その時 “こども店長” が死んだ。(2009年11月27日)で、白戸家のCMについて言及しました。

その中で

  CMのストーリーは、
  その謎(=理由)が判らないまま次々と展開します。

と書き、これが手法として高度だと指摘しました。


さて、“謎” が謎でなくなってしまった今、
白戸家のCMの次回作がどう展開するか興味を惹かれます。

優秀なCMクリエイターが作るTVCMです。
どう巻き返してくるか、楽しみなところです。


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Amazonの商品検索がお粗末になってしまった理由について

2011年4月9日

Amazon(amazon.co.jp)の通販サービスは個人的によく利用させていただきます。
日本に上陸した2000年よりも前にも既に米Amazon.comのアカウントを取得して利用していたと記憶するくらい付き合いは長くなります。

Amazonの代名詞とも言える「検索した商品からその人の興味がありそうな関連商品を提示してくれるサービス」はとりわけ秀逸で、便利この上ない。

ところがいつの頃からでしょうか、おそらくここ数年のことだと思います、Amazonで商品検索をしていると訳の分からない検索結果が表示されるようになり、自分が探し求めている商品になかなかたどり着かなくなった気がしていました。

そこで、今回はかなりお粗末になってしまったAmazonの商品検索について、具体例をあげながら少しその理由を考えてみたいと思います。

例として、Karaの最新音楽CDの情報が知りたくて商品検索するとしましょう。

1.すべてのカテゴリーから「Kara」を検索します。

Amazonの商品検索結果1


2.発売日順に並び変えるために、先ずカテゴリーを選択しなければなりません。そこでカテゴリー「ミュージック」を選択します。

Amazonの商品検索結果2


3.並べ替え機能で「発売日」を選択します。

Amazonの商品検索結果3


4.発売日順に12個の商品が表示されます。

Amazonの商品検索結果4

ところがその最初検索結果12個の商品の中にKaraのCDは1枚(9番目)しかありません!

1番目はAKB48です!

なんじゃらほい、です。
これじゃ商品検索の意味がありません


結論から言いましょう。
Amazonの商品検索結果への関連サーチ結果の反映度が増し過ぎたために起こったものと思われます。


残念な話です。
以前はこのような検索結果ではありませんでした。

検索キーワードで指定したアーティストの商品が
発売日順にきちんと表示されていましたから。

ちなみにGoogle検索でできるピンポイント検索「"Kara"」をAmazonで試してみましたが、機能することはありませんでした。
※Google検索には、検索キーワードをダブルクォーテーションで囲むと、表記ゆれを含まず必ずその言葉と同じ表記を含む文字列(ホームページ)を検索するという機能があります。

関連商品の提示に長けていたAmazonが、
検索結果にまで関連商品の提示を過度に採用することで、
かえって使い勝手を落とす結果になってしまったんでしょうね。
(そこには、ある意味マーケティング戦略の落とし穴が見て取れます。)

最近のAmazonの商品検索は、本当に使いづらくなりました。


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